「食べチョク」代表 秋元里奈さん: 関税などは企業にも大きな影響があるので、どういう動きになるかがすごく気になっています。世界の今年のリスクの中でも、良いところもあれば悪いところもあるということで、トランプ氏が大統領になることで起きる変化を気にされてるなと思ってます。
農作物の輸出も去年はアメリカが一番の取引先になっているので、関税が変わることで一気に日本経済に影響するのではないかという部分も気になるのですが、いつごろ、具体的にどう動くのかは見えてくるものなのでしょうか。
早稲田大学教授 中林さん: 今回のスピーチはまだ大統領になる前なので、特に日本をターゲットにしたものはなかったのですが、いずれ日本と何かをディール(取引)したいときに関税という話題を持ち込む可能性はあります。トランプ氏が多く使う「関税」には2つの意味があるんです。
1つは、本当に「貿易の不均衡を直そう」という気持ちで貿易に直接関わるもの。もう1つは、関税という言葉を脅しやフックとして使って、自分の思いを実現するために関税でプレッシャーをかけていくという意味もあるので、一体どっちなのかというのを素早く察知する必要があります。
熊崎風斗キャスター:
今回の会見は1時間12分ほどありましたが、日本への発言はゼロでした。これにどういう意味があるのか、中林さんも「発言が読めない中で『触れられないのが得』と考える国もあったのでは。でなかったから損というわけではないのではないか」と話すように、日本は懸念を抱く国ではないという認識でもいいのではという見方もされています。
しかし今後は、トランプ氏は“アメリカファースト”にむかって、インフレ解消のため国内の利益を増やすことを目指しているわけです。ですから日本に対して、関税も10~20%、安全保障でも兵器の購入など防衛費の増額を求めるのではないかと。
トランプ氏側は過剰なドル高への懸念があり、対中政策が非常に大事なので、対日本に対してはwin-winの姿勢もあるのかもしれません。
対して日本は、そうなった場合に改善を目指すフックとして関係を築いていけるのかが今後の鍵になるだろうということでした。
井上貴博キャスター:
多分アメリカ国民としてはこの不確実性を前向きに捉えて今回選出されたと思うんですけど、海外からすると、その不確実性がリスクというか怖いですね。
早稲田大学教授 中林さん: ですから、なるべくトップ同士の個人的関係を作ってもらって、何か起こったときにはそこで保険にしようっていう国もあれば、逆にそれがマイナスになる可能性も、トップリーダーの性格によりけりですけれども、心配する国もあるということです。でもアジェンダはwin-winになるものを探すチャンスはありますので、しっかり日本もそこをつかんでいければと思いますよね。 ========== <プロフィール> 中林美恵子さん 早稲田大学教授 元アメリカ議会上院補佐官(共和党) 専門は国際公共政策 秋元里奈さん オンライン直売所「食べチョク」代表 33歳
神奈川の農家に生まれる