北陸自動車道福井北-福井IC間の下り線で立ち往生する車の列=令和3年3月、福井市(恵守乾撮影)
大雪による車の立ち往生が近年相次ぎ、国土交通省近畿地方整備局は、大雪前に積極的に各地の道路を通行止めにするなど対応を見直している。通行止めの時間を最小限にする従来の考えを「人命最優先」に転換したためだ。降雪が予想される中で車を利用するドライバーは、国交省や気象庁の情報に注意し、状況によって外出を取りやめる決断も求められる。 近畿整備局管内では、平成30年2月の大雪で、福井県内の国道8号の計9カ所で車の立ち往生が発生。約1500台が巻き込まれ、通行止めは最大約66時間に及んだ。令和3年1月の大雪でも、同県内の北陸自動車道で1600台が一時動けなくなり、国道8号にも車両が流れ込み最大約16キロの渋滞が発生した。 こうした事態を受け、整備局は福井、京都、兵庫3府県の日本海側の国道など計22カ所で、立ち往生の発生する恐れのある区間を「予防的通行規制区間」に設定。過去に立ち往生が発生した福井県内の北陸道と国道8号では、危険性が高まった場合は同時に通行止めとし、Uターンや広域迂回(うかい)とする措置も図る。 ただ、日本海側の高速道や国道は、京阪神からの貨物トラックも多く利用するため、周知が行き届かず突発的に立ち往生が発生する可能性もある。整備局の調査では3~5年度に福井県で起きた立ち往生16件中15件は大型車が原因。このうち6件は京阪神からの車両で、さらに4件はノーマルタイヤだった。 整備局はドライバーに対し、冬用タイヤやチェーンの着用を注意喚起。また、荷物を依頼されたら断れない業者も多いことから、荷主に対しても「不要不急の運送依頼を控えてほしい」と呼びかけている。(秋山紀浩)
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