映画「ロミオとジュリエット」でジュリエットを演じたO・ハッセーさん(右)が死去/Bettmann Archive/Getty Images
(CNN) 1968年の映画「ロミオとジュリエット」やホラー映画「暗闇にベルが鳴る」に主演した女優、オリビア・ハッセー・アイズリーさんが死去したことが、インスタグラムの公式ページへの投稿で明らかになった。73歳だった。
インスタグラムに投稿された声明では「深い悲しみとともにオリビア・ハッセー・アイズリーの死を発表する。12月27日、愛する人たちに囲まれながら自宅で安らかに息を引き取った」と説明。「オリビアは類いまれな人で、その温かい人柄や思慮深さ、純真な優しさは彼女を知る全ての人に感銘を与えた」と述べた。
「ロミオとジュリエット」はアルゼンチン出身の英国人女優ハッセーさんの出世作となり、ジュリエット役の演技でゴールデングローブ賞を獲得した。
フランコ・ゼフィレッリ監督がシェイクスピアの古典を映画化した「ロミオとジュリエット」には議論もある。ハッセーさんと共演者の俳優レナード・ホワイティングさんは2022年後半、自分たちが未成年だった時にヌードシーンの公開を許可したとして、映画の制作を手掛けたパラマウント・スタジオを提訴。訴状によると、ゼフィレッリ氏はハッセーさん(当時15)とホワイティングさん(当時16)に対し、「ヌードで演じなければ映画が失敗する」と告げたとされる。訴訟は23年5月に退けられた。
ハッセーさんはその後、1974年のホラー映画「暗闇にベルが鳴る」に主演。アガサ・クリスティーの作品を映画化した78年の「ナイル殺人事件」にも出演した。77年にはゼフィレッリ監督と再びタッグを組み、テレビのミニシリーズ「ナザレのイエス」で聖母マリアの役を演じた。
ハッセーさんは51年4月17日、ブエノスアイレス生まれ。「情熱や愛にあふれる生活を送り、芸術や精神性、動物愛護に身をささげた」という。
声明では「オリビアの後には愛する家族、子どもたちのアレックス、マックス、インディア、35年間連れ添った夫のデイビッド・グレン・アイズリー、孫のグレイソン、そして私たちの心の中で永遠に大切にされる愛の遺産が残された」と言い添えた。
「私たちはこの計り知れない喪失を悼むとともに、オリビアが私たちの人生と業界に与えた不朽の影響をたたえる」とも述べ、寄せられた哀悼の意に感謝を表した。