英下院、安楽死法案を「賛成多数」で可決 過去には否決、世論変化も(毎日新聞) – Yahoo!ニュース

英ロンドンの地下鉄の駅構内に張られた「安楽死合法化」を訴える広告=2024年11月26日、ロイター

英下院は29日、終末期患者の「安楽死」を認める法案の第1回採決を実施し、賛成多数で可決した。今後、下院の委員会や上院でも審議されるが、その過程で法案の中身が「修正される可能性」(英BBC放送)もあると報じられている。最終的に法律として成立するまでには今後、数カ月かかるとみられる。 【写真】安楽死法案を下院に提出したレッドビーター議員 第1回採決では、法案への賛成330票、反対275票だった。 法案を提出したのは、与党・労働党のキム・レッドビーター下院議員だ。英メディアによると、対象者はイングランドまたはウェールズに居住し、余命6カ月未満の18歳以上の患者という。あくまで「本人の意思」が条件で、医師2人と裁判官の同意も必要となる。命を絶つ方法は、医師が薬物を用意し、患者自身がそれを摂取する手順が想定されている。 英国では2015年にも同様の法案が審議されたが、反対多数で否決された。だが、近年は国民感情の変化も指摘される。英調査会社ユーガブの世論調査(今年11月19~20日)では、安楽死の合法化支持が73%で、不支持の13%を大きく上回った。 賛成派は、「苦痛の中で死を待つより、患者は『より良い死』を選ぶ権利を持つべきだ」と主張している。一方で反対派は、安楽死が合法化された場合、介護者に負担をかけたくないと考え、「自分は死んだ方がいい」と思い込んでしまう患者が増えることを懸念している。 第1回採決は党議拘束のない自由投票で、スターマー首相(労働党)やスナク前首相(保守党)は賛成した一方、保守党のベーデノック党首は反対票を投じた。 欧米では、米国の一部の州や、オランダ、ベルギー、スイス、カナダなどで医師の薬物投与などによる安楽死が合法化されている。キリスト教徒の中で特に自殺をタブー視するカトリック信者が多いスペインでも、21年に法制化された。フランスでも導入を巡る議論が進む。 一方、英国や日本では自殺ほう助罪や嘱託殺人罪などに問われる可能性があり、刑事罰の対象となる。 安楽死は、医師が患者に薬物を直接投与する「積極的安楽死」▽医師に処方された薬物を患者が自ら飲む「自殺ほう助」▽延命治療を中止する「尊厳死(消極的安楽死)」――などに分類される。【ロンドン篠田航一】

毎日新聞

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