真田広之「関わってくれた全ての人に感謝」主演・プロデューサー「SHOGUN」で米ゴールデングローブ賞4冠|au Webポータル

第82回米ゴールデングローブ賞の発表・授賞式が5日、カリフォルニア州ビバリーヒルズで開かれた。俳優・真田広之(64)が、主演・プロデューサーを務めた米配信ドラマ「SHOGUN 将軍」(ディズニープラスで配信中)でテレビドラマ部門の主演男優賞を日本人として初めて受賞した。同作はテレビドラマ部門の作品賞のほか、アンナ・サワイ(32)が主演女優賞、浅野忠信(51)が助演男優賞を受賞し、計4冠となった。

史上最多の18冠を獲得した昨年9月のエミー賞に続き、真田と「SHOGUN 将軍」が、再び快挙を達成した。

日本人俳優の主演男優賞は史上初。俳優賞全体では1981年の島田陽子さん(2022年死去、享年69)の主演女優賞以来、44年ぶりとなるが、同じ原作による作品(島田さんの作品はタイトルが「将軍 SHOGUN」)での受賞は、運命だったのかもしれない。

トロフィーを手にした真田は「素晴らしい候補者の方と一緒にいられてうれしいです」と最初にノミネートされたライバルたちに敬意を表した後に、製作会社などの名前を挙げ「私をここに連れてきてくれた、私に関わってくれた全ての人に感謝したいです。皆さんのおかげで、この場に立てました」とあいさつ。「世界中の若い俳優、クリエイターの皆さん、自分らしく、自分を信じて諦めないで頑張ってください」と呼びかけた。

その言葉は、自分自身の経験から来ている。受賞後の共同インタビューでは「日本で育って、5歳で子役を始めた。たくさんの素晴らしい監督に出会って、たくさんのことを学んだ。それから40年後にアメリカに来て、再び素晴らしいスタッフ、キャストに出会ってたくさんのことを学んだ。その全ての経験を『SHOGUN』に入れた」とコメント。自らの信念に従い、周囲から力を得て作り上げた作品で成功をつかんだ。

台詞(せりふ)の7割が日本語。「私にとってはギャンブルだった」とプロデューサーとして勝負をかけた作品だったが、配信番組の増加で海外作品が気軽に見られるようになり、「言語の壁」が低くなったことも人気を後押しした。「視聴者は理解して楽しんでくれた。日本だけでなく世界中の映画製作者には大きなチャンスがある。これが次世代の人にとっての布石になることを願っている」。“日本発”の作品、そしてキャストが、今後も世界に羽ばたいていくことに思いを込めた

◆SHOGUN 将軍 「関ケ原の戦い」前夜が舞台の歴史スペクタクルドラマ。米ディズニー傘下のFX製作。有名大名に追い詰められて窮地に立つ、徳川家康がモデルの武将・吉井虎永(真田)が、生き残りを懸けて策略を巡らせる。伊豆に漂着し、虎永の家臣になる英国人航海士・按針(コズモ・ジャービズ)の視点を通じて武家社会の風習が描かれるほか、通詞(つうじ)の戸田鞠子(アンナ・サワイ)らが絡む複雑な人間ドラマが繰り広げられる。原作は米作家ジェームズ・クラベル氏のベストセラー小説。

◆ゴールデングローブ賞 映画やテレビドラマの作品、出演者らに贈られる賞で、後の米ハリウッド外国人記者協会が設立。賞の名前は「黄金の地球」を意味し、第1回の授与は1944年。56年以降にテレビ関連の賞が追加された。現在は日本を含む80か国超の約330人が投票権を持つ。米テレビ界の最高峰と呼ばれるエミー賞が俳優や監督、業界関係者などが所属する米テレビ芸術科学アカデミーによる投票で決まるのに対して、ジャーナリストの投票によって決定する。また、各賞が「ドラマ部門」と「ミュージカル・コメディー部門」に分かれているのが特徴。

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